梅雨も終はりに近い蒸し暑い日
爽やかな風を運ぶかのやうにをとめ達は少女塾の扉を開ける。
和やかに談笑した後、気持ちはすぐ切り替はり
人形の世界へと入つていく。
一日じつくりと人形制作へ向ふ貴重な時間。
この日ばかりは日常の全てを忘れ自分さえも忘れて集中する。
人形制作は、短い時間のお稽古では余り進まず実感も得られ難い。
叉、月に何度も通ふのは以外とエネルギーを要する。
月に一度と云ふのは程良く気持ちが持続でき
一日かけて目に見えて形が出来上がつていくのは
楽しみなのではないかと思ふ。
何故なら私も塾生達の作品が出来上がつていく事に
大きな喜びを感じてゐるからである。
既に出来上がつた人形が待ち遠しさうに
ブランコの完成を待つてゐる。
今回は普段の人形制作にはない様々な事を経験した。
初めて扱ふ素材もあつたかも知れない。
花を染めたり、ワイヤーを曲げたり繋げたり、絵を描いたり…。
ほんの些細な事も熟考し、気持ちを注ぎ込んで制作した。
その様子をずっと見てゐると自分の作品と同様に愛しさを覚える。
完成の時は少女塾が薔薇色に包まれる。
をとめ達の胸に花が咲く芳しいひとゝきだ。
2010年06月14日
花薫るひとゝき
初夏のやうな爽やかな日差しに満ちあふれ
少女塾の時は静かに過ぎていく。
仄かに花の香漂ふやうなひとゝきに身を委ね
自分の制作と向き合ふをとめ達。
制作の事、作品に対する想ひとその世界
様々な事に想ひを巡らせながら制作を進めていく。
習ひに来てゐるのだから、雑念に覆はれたまま
何気なく手を動かしていれば良いのではない。
大事なのは、型紙を貰ひ作り方を聞く事ではない。
制作の順序やコツ、人形制作の想ひや思想、
時には芸術や文学の話等、様々な事を伝へていくが、
それを受け止め、自分の夢の世界を広げていくのは
塾生自身である。
自分の夢の世界にこゝろを羽搏かせ
制作に没頭する満ち足りた時間。
きらきらと輝く小さな思ひ出を閉じ込めるやうに
一つ叉一つと作品が出来上がつていくのである。
少女塾の時は静かに過ぎていく。
仄かに花の香漂ふやうなひとゝきに身を委ね
自分の制作と向き合ふをとめ達。
制作の事、作品に対する想ひとその世界
様々な事に想ひを巡らせながら制作を進めていく。
習ひに来てゐるのだから、雑念に覆はれたまま
何気なく手を動かしていれば良いのではない。
大事なのは、型紙を貰ひ作り方を聞く事ではない。
制作の順序やコツ、人形制作の想ひや思想、
時には芸術や文学の話等、様々な事を伝へていくが、
それを受け止め、自分の夢の世界を広げていくのは
塾生自身である。
自分の夢の世界にこゝろを羽搏かせ
制作に没頭する満ち足りた時間。
きらきらと輝く小さな思ひ出を閉じ込めるやうに
一つ叉一つと作品が出来上がつていくのである。
posted by 市川こずえ at 14:28| 少女塾
2010年05月10日
やはらかき日差しに包まれて
爽やかな初夏の風に誘はれて
煌めく光もさゞなみのやうに
をとめ達の胸に降り注がん
色とりどりの花とたはぶれ 身もかろく
花園翔るをとめの如く
今月も少女塾の一日は過ぎてゆく
人形制作に於いて色や形は重要である。
重要ではあるが、色や形そのものが人形美、人形の魅力ではない。
大事なのは、何を想い描き、何を夢見て
その色彩、その形を選ぶかである。
観る者が気にも留めないやうな細かい部分に至つても
しつかりとしたイメージを持ち、気持ちを注ぐ事が
制作する人形への愛情である。
煌めく光もさゞなみのやうに
をとめ達の胸に降り注がん
色とりどりの花とたはぶれ 身もかろく
花園翔るをとめの如く
今月も少女塾の一日は過ぎてゆく
人形制作に於いて色や形は重要である。
重要ではあるが、色や形そのものが人形美、人形の魅力ではない。
大事なのは、何を想い描き、何を夢見て
その色彩、その形を選ぶかである。
観る者が気にも留めないやうな細かい部分に至つても
しつかりとしたイメージを持ち、気持ちを注ぐ事が
制作する人形への愛情である。
posted by 市川こずえ at 21:09| 少女塾
2010年03月27日
紀貫之 其の五
青柳の糸絶えず、松の葉のちり失せずして、まさきのかづら長く伝はり、
鳥のあと久しくとゞまれらば、歌のさまを知り、ことの心を得たらん人は、
大空の月を見るがごとくに、いにしへを仰ぎて今を恋ひざらめかも。
…「古今和歌集」序文より(結びの一文)
古今和歌集が、絶えず、また散り失せず、
長く伝はり、久しく世に存しているなら
歌の本質を知り、この勅撰和歌集が編纂された真意を理解する人は、
大空の月を見るやうに昔を振り返り、
この延喜の聖代を恋しがらずにはゐられないであらう。
紀貫之等に勅撰和歌集作成の命が下つたのは、905(延喜5)年の事。
それから千年以上経ち、今私の手元にこの古今和歌集が有る事に
大いなる浪漫を感ぜずにはゐられない。
当時は漢詩文隆盛だつた。他国の言葉を使ふといふ事は
他国の思想に染まるといふ事ではないだらうか。
やまと歌には日本人のこゝろが詠はれてゐる。
それは長い年月をかけて大事にされてきたものである。
今の時代、日本人のこゝろとは何かと問ふ時が来たのかも知れない。
夜空を仰ぎ月を眺める度にこの延喜の聖代を、貫之等の事を想ふ。
月は今も昔も変はらず、静かにこの御代を照らしてゐる。
鳥のあと久しくとゞまれらば、歌のさまを知り、ことの心を得たらん人は、
大空の月を見るがごとくに、いにしへを仰ぎて今を恋ひざらめかも。
…「古今和歌集」序文より(結びの一文)
古今和歌集が、絶えず、また散り失せず、
長く伝はり、久しく世に存しているなら
歌の本質を知り、この勅撰和歌集が編纂された真意を理解する人は、
大空の月を見るやうに昔を振り返り、
この延喜の聖代を恋しがらずにはゐられないであらう。
紀貫之等に勅撰和歌集作成の命が下つたのは、905(延喜5)年の事。
それから千年以上経ち、今私の手元にこの古今和歌集が有る事に
大いなる浪漫を感ぜずにはゐられない。
当時は漢詩文隆盛だつた。他国の言葉を使ふといふ事は
他国の思想に染まるといふ事ではないだらうか。
やまと歌には日本人のこゝろが詠はれてゐる。
それは長い年月をかけて大事にされてきたものである。
今の時代、日本人のこゝろとは何かと問ふ時が来たのかも知れない。
夜空を仰ぎ月を眺める度にこの延喜の聖代を、貫之等の事を想ふ。
月は今も昔も変はらず、静かにこの御代を照らしてゐる。
posted by 市川こずえ at 12:23| 少女塾国語
2010年03月15日
春かをりて
風は少し冷たくも、春の訪れ晴れやかに
今月も少女塾の扉は開く。
何ケ月もかけて、少しづゝ作つてきた人形が段々と出来上がつてくる。
手足を作り、頭と胴体を作り、顔を描き…、
これまでの道程を振り返ると感慨深いものがある。
あともう少しで完成といふ時は、皆無言で手を動かしてゐる。
逸る心を抑え、唯無心で一筋の光に向つて進んでいく。
人には感情(又はこゝろ)といふものが存在する。
それは小さな風となつて、その人の周りをいつも取り巻き
嬉しい時には喜びに包まれる。
その輝きに包まれる時初めて人形はこの世に生まれ出づる。
この日の少女塾は、花薫る暖かな春の喜びに満ちてゐた。
今月も少女塾の扉は開く。
何ケ月もかけて、少しづゝ作つてきた人形が段々と出来上がつてくる。
手足を作り、頭と胴体を作り、顔を描き…、
これまでの道程を振り返ると感慨深いものがある。
あともう少しで完成といふ時は、皆無言で手を動かしてゐる。
逸る心を抑え、唯無心で一筋の光に向つて進んでいく。
人には感情(又はこゝろ)といふものが存在する。
それは小さな風となつて、その人の周りをいつも取り巻き
嬉しい時には喜びに包まれる。
その輝きに包まれる時初めて人形はこの世に生まれ出づる。
この日の少女塾は、花薫る暖かな春の喜びに満ちてゐた。
posted by 市川こずえ at 22:55| 少女塾


